2018年3月30日金曜日

思いが一杯の素晴らしい甲子園!

 今日は母校が選抜甲子園での試合なので。おまけに和歌山の兄弟校も同じ日に試合がある。何年か前に一度同じ事が有ってその時はお互い勝てば次は対戦するような組合せ日程だったと思う。是非見ておきたい。仕事を休んで電車でヨメと出かけた。モモもマーキュリーもユウもお留守番。お利口さんして待っててね。

 家を出て津駅から8時21分のアーバンライナー。難波で乗り換えて甲子園口へ。10時半には着いた。急いでスタンドに入ると第一試合は9回表。明徳が追加点のチャンスに内野ゴロのホームゲッツーでチャンスを潰し、1点差で9回裏、航空の攻撃。2人ランナーが出て3番バッターだったかな。打球はレフトの頭上を越えて行き、まさかのサヨナラ逆転3ラン。点を取れる時に貪欲に取っておかないとこんな事に成る。と何度も悔しい思いをした事を思い出す。

 そして第二試合のアップ、シートノックがすぐに始まった。和歌山の監督さんはもう71歳。確か甲子園の最多勝利を持つ現役の監督さんだね。3塁側ベンチに立つ姿は少しお腹が出て来ただろうか。シートノックも楽しみにしていたが、今日は高嶋さんでは無くコーチが行っていた。高嶋さんの今までのノックで真上に同じコースに何度も高く打ち上げるキャッチフライがとても印象的だった。
智弁和歌山と国学院との試合が始まる。
  その試合。スコアボードを見ると1塁塁審には堅田の名前。忘れもしない。この人はあの語り継がれる名試合。簑島と星陵の延長18回の時の星陵のエース。18回を投げ切った時の、その人なんだよ。昔、テレビでそのドキュメントが有って食い入る様に見ていた。試合が終わって挨拶が終わり、主審の人から「ご苦労さんだったね」と言われてその試合球を渡してくれたそうだ。あれから大阪の某大手の電気会社に入り審判の勉強をして、この甲子園に帰って来ている。あの時の主審の人の言葉が大きな心の石杖に成ったのではないかな。
1塁塁審は堅田。あの星陵のエース、18回を投げ切った人。
  1塁側内野スタンドの前列で試合もだが、堅田さんの動きも見ていた。僕よりは5,6歳は若いはず。まだ会社にも努めておられるだろう。でも細くなったなあ。何年か前はこの甲子園でも主審をしていた。
1塁塁審、その堅田さん。
この試合は前半は和歌山のペース。和歌山の上位、3,4番のスイングは凄いね。左バッターの1塁側のファウルボールの凄い事!5回までに7点リード。少年野球なら公式戦でもこれでコールドで試合が終わってしまう。ところが中盤から代わった国学院の2番手、3番手のピッチャーに抑えられている。終盤には3点差に追い上げられていたが前半の得点が効いて逃げ切り。まだまだ取れたと思うが印象に残ったのは上位のスイングもだが、内野守備。特に1回表。1,2番のセンターへ抜けそうな打球を2回ともショートがダイビングして好捕しファーストへもいい送球。この試合の和歌山のリズムはこれで流れに乗れた様に思うね。 バッティングでは上位のバッターは前の腰が開かずに身体の近くでしっかりボールを見ているのが印象的。ポイントはグッと近い。ベースの前ぐらいでバットに乗せる感じだ。ヒットを打っているバッターはそんな印象で1塁側から見ているとスイングしてもしっかりと顔は残っていた。

 そして3試合目。智弁と創成館。1,2回、両チームとも攻めながら決め手を欠く。3回表に1死から智弁がセンター前で1塁に出たが、左ピッチャーの1塁牽制で戻れず憤死。初回に1,2塁からダブルスチールなど積極的に攻めていたがこの後も盗塁、牽制死などが有る。これはもったいないね。その3回、2死に成って3番四球の後、4番がレフトオーバーで1点先制。
 創成館はその後、4回から2人のピッチャーでリレーして行く。二桁の背番号の選手が他の守備位置でも交代していた。選手層が厚いんだろうね。対して智弁はその後、全くタイミングが合わず5回にエラーと四球が有っただけで以降はずっと三者凡退。
 
 対して智弁のバックも良く守っていた。2回には2死からセンター前に落ちる飛球にダイビングして好捕。5回裏は連打と死球で1死満塁と成っても得点を許さない。それでも点差は1点。嫌な感じで9回裏まで来る。

 9回裏創成館。1死2,3塁と同点、逆転のチャンス。外野は定位置よりは前のポジショニング。7番バッターの打球はセンター正面の打ち取った打球だ。センターは少しバックしてバックホームを狙いながら前へ来る。普通にそのまま捕って投げればコースさえズレなければホームもアウトに取れるだろう。けどその時センターは捕球する前にステップに入って少しジャンプした。打球はジャンプした分、グラブの先に当たり下にこぼれる。。

 スタンド全体が「あ~!!」と言う声。こんな事が有るんだね。前の試合でも国学院がセカンドフライを落球していたが。。土壇場で同点に成り尚、1死2,3塁。ここで満塁策を取り、智弁は11番にピッチャー交代。そのウォームアップを見ているとカーブか、フォークボールか、完全に引っ掛かってワンバウンドが多い。キャッチは必死で止めている。このピッチャー交代は嫌な感じだった。

 案の定、変化球は入らない。フルカウントに成って次の1球。打球はショート前の詰まった小フライ。もちろんショートは勝負するしかない。ダイビングして僕はキャッチしたと思った。この打球ならランナーはもちろんスタート出来ないね。ショートもキャッチ出来たと思ったと思う。姿勢をすぐに立直して3塁ランナーを見たがスタートしていない。
 が・・・審判のキャッチ!のコールは無い。智弁のキャッチはすぐに気付いてホームへ来い!とボールを呼ぶ。主審はアウトのゼスチャー。そしてサードへも投げベースを踏んで塁審にアピール。3塁塁審はアウトのコール。

 すぐは何が起こったのか解らなかった。創成館の選手達も「え?何?」という表情。でも理解出来た。審判はノーキャッチの判断だったんだね。すぐに気付いたキャッチのファインプレーだろうね。創成館からも確認の抗議が有り、主審の場内への説明放送も有り、ノーキャッチの後のDPでチェンジと成り同点で延長戦と成った。

 そして10回裏。1番2番にセンターへ連続して大きな飛球。センターは風に惑わされながらも良く追い付き好捕していた。ライト側からの浜風が打球にかなり影響が有る様だね。そして確か3番バッター。スタメンから出ていた3番はピンチランナーから交代している。少し小柄な二桁の背番号の左バッター。気に成っていたのは前の2人がほぼ完璧に智弁の11番を捉えていた事だ。変化球が入らないので全部ストレートを狙われている。かわす術が無かったのかな。そんなに振り切ったスイングでは無かったと思う。バットに乗せるようなスイングだった。打球はセンター横、左中間の深い所へ飛んで行きスタンドへ。これが右中間なら風に戻されて入っていないだろうな。サヨナラホームランと成り智弁としては惜しい敗戦。でも原因は盗塁死などの拙攻とランナー3塁に置いて強行で取れなかった事だろうね。でもね、それ以外は良く守ったと思う。9回裏フルカウント。押し出しに成らずに良かった。とスタンドからもその様な声が沢山聞こえた。

 もしここで勝っていれば準々決勝で兄弟校同士が対戦する事に成っていたのかな。
試合後の挨拶の姿を写真に撮って帰って見てみた。すると。。ちょっと感動したね。

 試合に敗れて本当に悔しいだろうが智弁の選手達は腰を90度近く曲げて礼をしたまま。勝った創成館の選手は大喜びではしゃいでいる様子。それも良いよね。もう一つベンチ前の監督、コーチ、部長やスコアラーの人達の姿。そしてベンチ入り出来なかった智弁側の青いヘルメットのボールボーイの選手も。この人達も同じよう深く礼をしたままだった。卒業生として自慢では無いが誇らしく、とても嬉しく感じた。
 
礼を尽くす。素晴らしいな!!
  今日はいい試合を見せてもらった。そして素晴らしい姿も姿勢も見せてもらった。
ありがとう。また夏を目指して頑張って欲しい。
礼に始まり礼を尽くし礼に終わる。子供達にもしっかり伝えて行きたい。 

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